
実際にプレイしながら確認した内容をもとに書いています。作品のバージョンは執筆時点のものです。
電波の夜に響く夢
なにやらジャケットとタイトルに釣られるままにプレイさせて頂いた『電波の夜に響く夢』。
忘れられた世界の中で不思議な女の子と出会い、女の子に導かれるまま感傷の断片を渡り歩いていく短編アドベンチャー。
メタ構造を利用し、ときにプレイヤー自身にも語りかけるような演出で、気づけば物語の輪郭の内側へ引き込まれていきます。
センチメンタルで少しワガママな女の子に振り回される時間が、不思議と心に残る一作でした。
何度も周回したけどわからん!
電波ストーリーとメタ要素のミックス短編ADV
↑結局のところなんだかよく分からないPVなんだけど、刺さるところがあった人はどうぞどうぞな話です。

『忘れられた世界』の隅っこで膝を丸めて涙ぐんでる女の子・Dirtieちゃん。
サークルさんは『内涵と深みを持つアダルトゲーム作品の開発に取り組んでいます。』ということなのでプレイヤーの内面に響く作品作りをされているということですね。
Dirtieちゃん(たぶん「dirty(穢れ)」を女の子っぽくしたネーミング)と世界巡りをしていくエピソードはその断片断片がいちいち感傷的な反省を備えている具合。

『ビジュアルノベル型のメタ系ギャルゲーム』という説明の通りでメタ要素については遠慮無くぶち込まれてきます。
ゲーム進行においてはストーリー展開はほぼ一本道ながら複数の選択肢が表示され、それらの結果でED分岐があるような具合。
またメタ要素を伴ってタイトル画面から再プレイすることも織り込んだ構成になっているので、一度タイトルバックしたからといって終わりにしちゃいけません、Dirtieちゃん泣き出しまっせ!

ノイズ演出やショッキングなCG演出を織り交ぜたくらいの奇天烈な電波ストーリーに思わせておきながら、『電波の夜に響く夢』というタイトルに収束するテーマ性をしっかり備えているのでストーリーを読み解くことの面白さも味わえますね。
選択肢を選び選びして辿り着くのはトゥルーエンドと隠しエンドの2種類。
トゥルーエンドはすんなり辿り着けたんだけど、隠しエンドの分岐がわからないので取りこぼしているエピソードがあるということが悔しいですね。
エッチシーン自体は販売ページに記載ある通りにパスコードを入力して全解放できちゃうので問題無いのですがね。

Dirtieちゃんが可愛いので告白してみたらキレられました\(^_^)/
ギャルゲーなんだからギャルゲーらしい展開を踏んでから告白しろとのこと。
さっきまでセンチメンタルに泣いてたと思ったら今度はワガママに怒り出すのがDirtie情緒。その落差がコメディとしても機能していて思わず笑ってしまいました。
エッチシーンについては本編とは切り離されたエピソードとして構成され、DirtieちゃんのM気質なもう一つの顔が覗けるもので4シーン収録されています。
まとめ・感想
深みと余韻のあるストーリー作品を目指されている台湾サークルさんの一作です。
顔に縫い跡があり、血の涙を流し、胸元にバツ印の傷跡があるヤバそうなヒロインをウフフキャッキャさせたスプラッター作品だったり読者を置き去りにした内容だったらどうしようかと思ってもいたのですが、お安い値段なので失敗しても良いかと思ってプレイさせて頂きました。
雰囲気や物語性、そして作品が伝える感情を特に重視し、アダルトコンテンツと芸術表現の可能性を探求し続けています。
サークルさんの活動方針通りに雰囲気や物語テーマ性があり、プレイヤーに迫ってくる短編ストーリーが楽しめる一作になっておりました。
実際にプレイしていくと、けっこう説明的なところが鼻につくかもしれません。でもこれくらい説明しながらいかないとアダルトゲームのプレイヤーは服を脱いでどんどん先を進んでいってしまうよね、って見込んだ味付けなんでしょうね。
一文一文を味わいながら読み進める必要はありませんし、雰囲気に浸っていくだけでも僕としては充分楽しめるものでした。
好き嫌いははっきり分かれそうですが、電波系や異色作が好きな方なら試してみる価値はあるかも。価格も控えめなので、どうぞどうぞ。
お奨めポイント
- 雰囲気やストーリーが素敵
- 独特な味わい
微妙だった点
- EDへの分岐条件やヒント、手掛かりが掴めない










